裏世界ピクニック すべてを放り出して異界に逃げ込みたい
裏世界ピクニックを読了した。
この小説はタイトルの通り女子二人が怪異蠢く異界で、サバイブする小説だ。
以下wikipediaより引用文。
廃屋内の扉から〈裏世界〉を発見した紙越空魚は、くねくねを目撃し命を失う危機に陥り、仁科鳥子に助け出される。後日、大学を訪ねてきた鳥子に、〈裏世界〉の探索に協力して欲しいと請われ、共に〈裏世界〉を調査することとなる。
裏世界という設定に心惹かれるものがある。異界には人間が存在しない。
自分以外に人間がいない世界を心置きなく探検出来るというのは、僕にとっては特別に心惹かれるものなのかもしれない。
僕は常々そういう世界が存在したらいいのにと考えてしまう。
肩書も、人間関係も、金も、所有物も全てをこの世界に置き去りにして、違う世界を肉体一つで彷徨いたい。そういう欲求が僕にはある。ほかの人にはないのだろうか。
異界と聞いて以前、常川光太郎さんの「夜市」を読んだ時も同じような感情を抱いたことがある。正確には「風の古道」というもう一つの短編に惹かれたのだが。
「裏世界ピクニック」と「夜市」この二作品の根底に共通することは、怪しくも惹かれる異界存在がある。そこではこの世の理は通用しない。異界独自の法則があるのだ。
下手をすれば命を落としかねない。それでも、、
会社もブログの更新も放り出して、異界に逃げ込みたいと思う今日この頃。
僕のブログ更新が途切れたらそれはつまり、、、
この小説の面白さは主人公とその相棒の関係性にもあるのだが、それについてはまたの機会に書いてみようと思う。